看護師を辞めたら、お金はどうなる?奨学金77万円返済・翌月給与ほぼゼロの体験談

「看護師を辞めたい。でも、奨学金を返して、そのあとの生活はどうする?」

辞めたい気持ちがあっても、お金のことを考えると踏み出せない。病院から奨学金を借りていた私も、退職前はその不安でいっぱいでした。

私の場合、退職に伴うまとまった支出は、奨学金の一括返済77万円。さらに、退職翌月の給与はほぼゼロ。事務職への転職で、年収も約50万円下がりました。

こう並べると、なかなか厳しい数字です。それでも、貯蓄と次の仕事があったおかげで、生活に困ることはありませんでした。年収も、転職から4年でほぼ元に戻っています。

この記事では、実際にいくら返し、収入がどう変わり、どんな準備が役に立ったのかを書きます。「辞めても大丈夫」と簡単には言えませんが、自分の場合を考える手がかりになればうれしいです。

退職で出ていった77万円。退職金はありませんでした

看護師を辞めるとき、私がまとめて支払ったのは、奨学金の返済77万円でした。

一方、退職金はもちろんありません。勤続1年1ヶ月の私は支給の対象になるわけもなく。有給休暇も、消化したのは3日だけです。

奨学金の返済手続きは、退職後の電話から始まった

意外だったのは、退職の手続きを進めているあいだ、病院から奨学金返済の話が一度も出なかったことです。

「そのうち案内が来るのかな」と待っていましたが、退職までも何もいってくる様子はなし。辞めた翌日、自分から総務部へ電話しました。

「奨学金を返したいのですが、どうすればいいですか?」

手続きが始まったのは、この電話からでした。

返済額は、自分で計算していたとおりの77万円。借りていたのは看護学校2年目からの2年間で、月7万円です。私の契約では、働いた13ヶ月分は返済不要だったため、残りの11ヶ月分を返しました。

7万円 ×(借りた24ヶ月 − 働いた13ヶ月)= 77万円。

契約で一括返済と決まっていたので、全額を一度に振り込みました。貯めておいたお金とはいえ、77万円が一度に出ていくのは大きな出費です。

返済の条件は契約によって異なります。病院からの案内を待つだけでなく、辞める前に契約書を読み、返済額・期限・支払い方法を担当部署へ確認しておくと、退職後に慌てずに済みます。

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退職翌月の給与はほぼゼロ。見落としていた支給のタイミング

奨学金の返済とは別に、がっかりしたことがありました。退職翌月、口座に振り込まれた給与がほとんどなかったのです。

入職した年の4月、私は「初めてのお給料は5月かな」と思っていました。ところが、4月中に基本給1ヶ月分がまるごと振り込まれたのです。「え、もうこんなにもらえるの?」と驚いたのを覚えています。

その支給のタイミングを、退職するときにはすっかり忘れていました。

4月末に退職し、5月に振り込まれたのは残業代だけ。

新しい職場はすでに決まっていて、働かなかった期間は10日ほど。 貯蓄があったため生活には困りませんでしたが、「最後のお給料、これだけなんだ……」と、正直がっかりしました。

年収は350万円から300万円へ。それでも転職を選んだ理由

看護師時代の年収は、ざっくり350万円。事務職に転職した直後は300万円で、約50万円下がりました。

転職時の月給は額面21万円。私の住む地域では、新卒の事務職が額面20万円ほどだったので、40代半ばでほぼ新卒と同じ金額からのスタートでした。

これまで働いてきた年数を思うと、落ち込まなかったと言えばうそになります。それでも転職を決めたのは、自分のペースで働ける毎日を取り戻したかったからです。

そして4年たった今、年収は350万円ほどまで戻りました。昇給などで、月給の額面が転職当初より約5万円上がっています。

仕事で支えになったのは、東京で積んだ15年以上の事務経験でした。以前の職場で身につけたやり方や工夫を、今の事務仕事でも実践する。その積み重ねを評価してもらえたのだと思っています。

もちろん、転職すれば同じように収入が戻るとは限りません。ただ、私にとっては、看護師になる前の経験もちゃんと次の仕事につながっていました。

今は、空いた時間で副業も始めています。NISAでの資産運用も続けています。年収が下がったことは痛手でしたが、手に入れた時間を、自分がやりたかったことに使えるようになりました。

減ったのはひとり温泉、増えたのは家族旅行のお金

事務職に転職して変わったことは以前の記事にも書きましたが、お金の使い方もずいぶん変わりました。

看護師時代の楽しみは、平日休みの日帰り温泉と、ひとりランチ。疲れた体をお湯でほぐして、好きなものを食べる。その時間が、忙しい毎日の数少ない息抜きでした。

当時はよく動いていたので、好きなだけ食べても体重はほとんど変わらず。温泉のあとのランチが、なおさら楽しみだったんです。

ただ、それ以外に出かける余力はあまりありませんでした。疲れているうえに、休みも思うように取れない。「お金は貯まるなあ」と思いつつ、使う時間も元気もなかったのだと思います。

今は、休みの日を子どもと一緒に過ごせるようになりました。ひとり温泉とランチの代わりに、家族で出かけることが楽しみです。

増えた出費は、主に3つあります。

  • 旅行代。土日に休めるので、1〜2ヶ月に一度は泊まりで出かけています。
  • サーフィンの道具代。体重が5キロ増え、以前のウェットスーツが合わなくなったこともあり、スーツと板を新調しました。
  • 都内へ出る交通費。今年からハンドメイドの会や、パソコンの勉強会に通っています。

旅行代はかかりますが、家族で楽しむために使いたいお金です。収入だけを比べていたときには見えなかった、転職後の変化でした。

ちなみに、体重が増えたのは食べる量が増えたからというより、仕事中に1日2万歩近く歩いていた生活が変わったからだと思っています。時間のゆとりはできましたが、運動は自分で意識する必要がありそうです。

NISAの積立は、退職前後もそのまま続けていました

退職の前後で、看護師になってすぐ始めたNISAの積立額は変えていません。

一度設定した積立をそのまま続けていました。毎月自動で積み立てを設定していたため、継続した。ただそれだけです。

正確に言うと、続けているというより放置しています。

一度積み立て金額を設定したら、あとは何もしない。収入が変わる時期でも、口座を開いて考え込むことすらありませんでした。この「考えなくていい仕組み」を先に作っておいたことは、退職の不安をひとつ減らしてくれたと思います。

ただ、私の場合は、奨学金を返すお金と生活を支える貯蓄があったから続けられたことです。収入が変わる時期に、無理をしてまで同じ額を積み立てる必要はないと思います。投資には元本割れの可能性があるため、退職後すぐ使うお金と、長く運用するお金は分けて考えておきたいところです(参考:金融庁「資産形成の基本」)。

生活費の見通しがつき、これから積立を始めたいと思ったら、まずは続けられる金額を考えるところから。口座選びでは、楽天証券などの公式サイトで、取扱商品や積立の設定方法を確認してみてください。

辞める前にやってよかった準備と、今も残るひとつの後悔

奨学金は「使えるお金」に数えず、残しておく

やっておいてよかったのは、借りた奨学金に手をつけなかったことです。

私の場合、シングルマザーが使える給付金や手当を活用して、月々の生活費をまかなっていました。そのため、奨学金は普段の家計に組み込まず、いざというときのために残しておけたのです。

77万円を一括で返せたのは、このお金があったからでした。

もちろん、給付金や手当だけで生活費をまかなえるかは、家庭の状況や利用できる制度によって違います。私と同じように全額を残せなくても、返済条件を早めに知っておくことはできます。

**「辞めたら、いくら返す必要があるのか」を把握しておく。**それだけでも、今から準備する金額を考えやすくなります。

次の仕事を決めてから辞めたことが、安心につながった

もうひとつ大きかったのは、次の職場を決めてから退職したことです。

特に、ひとりで家計を支えていると、収入が途切れる不安は大きいもの。私も、次の仕事が決まっていたからこそ、退職後の生活を具体的に考えられました。

心身に余裕があるうちに動けるなら、在職中から求人を見ておくのがおすすめです。「早く次を決めなければ」と焦る前に、給与や休日、仕事内容を比べる時間を持てます。ただし、体調がつらいときまで、次が決まることを退職の絶対条件にする必要はありません。

まだ辞めると決めていなくても、今の条件とほかの求人を比べることから始められます。私のように事務職へ移る道もあれば、看護師の資格を生かして別の職場を探す道もあります。

看護師として働き続ける選択肢も考えているなら、看護師向け転職サービスで、希望する勤務時間や休日に合う求人があるか確かめてみてください。相談する前に「最低限必要な月収」「夜勤の希望」「休みたい曜日」を整理しておくと、条件を伝えやすくなります。

**最初の一歩は、「自分の希望で働ける場所があるか」を知ること。**給与だけでなく、無理なく続けられる条件まで比べることが、納得できる転職につながると思います。

一方で、今も少し後悔しているのは、働かない期間を10日しか取らなかったことです。

離婚、看護学校、そして看護師としての勤務。4年間、ずっと走り続けてきました。お金の見通しを立てたうえで、あのとき1ヶ月くらい休み、旅行にでも行っておけばよかったなと思います。

次の仕事を決めることに加えて、次の仕事が始まるまでにどう休むか。そこまで考えておけば、もっと気持ちよく再出発できたかもしれません。

まとめ|辞めるのが怖いなら、まず必要なお金を見える形に

私が看護師を辞めたとき、まとまった支出は奨学金の返済77万円でした。退職金はなく、退職翌月の給与はほぼゼロ。転職で年収は約50万円下がり、4年かけてほぼ元に戻りました。

それでも生活を続けられたのは、返済に備えたお金と貯蓄があり、次の仕事も決まっていたからです。

転職後の収入がどう変わるかは、選ぶ仕事や条件によって違います。だからこそ、今の年収と比べるだけでなく、「毎月いくらあれば暮らせるか」「どんな働き方なら続けられるか」まで考えてみてほしいです。

まずは、奨学金の返済額、最後の給与と次の給与の入金日、その間に必要な生活費を、手元の貯蓄と並べてみてください。私が働かなかったのは10日ほどでしたが、必要な備えは、仕事を休む日数だけでは決まりません。次の給与が入るまでの支払いも含めて考えると、より具体的になります。

77万円は、私にとっても決して小さなお金ではありませんでした。それでも、金額がわかれば「何を準備すればいいか」を考えられます。

今すぐ辞めるかどうかを決めなくても大丈夫。まず必要なお金を確かめ、希望の条件で働ける求人を見てみる。その一歩が、漠然とした不安を、自分で選ぶための準備に変えてくれるはずです。

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